オンライン百科事典の特徴と基本的な活用方法を紹介
オンライン百科事典探究学習近年学校現場では、1人1台端末の環境で利用する「オンライン百科事典」(インターネット百科事典)の需要が高まっています。その背景には、令和2年度より小学校から順に実施された新学習指導要領で「主体的・対話的で深い学び」の考えに基づいた「探究的な学び」が重視されていることがあります。
探究学習の「課題の設定」「情報の収集」「整理・分析」「まとめ・表現」の各ステップの土台には、ものごとの定義を理解する力や、情報収集能力が不可欠です。そういった力を育むのに役立つツールの一つとして、オンライン百科事典が挙げられます。
このコラムでは、学校現場におけるオンライン百科事典の特徴にフォーカスして、そのメリットや活用方法について解説します。
百科事典とは
オンライン百科事典を上手に活用するには、まずは百科事典の特徴を理解しておく必要があります。
国語辞典と百科事典の違い
国語辞典とは、日本語のことばを、五十音順にならべ、意味、表記、用法などを説明した書籍です。一方、百科事典は、あらゆる分野の事柄や現象などについて項目を立て、一定のルールで配列し、解説する事典です。百科事典の解説には、図や写真、表などの資料も添えられます。
つまり、国語辞典には「ことばの意味や使い方の説明」が、百科事典には「ものごとや事柄の説明」が載っていると言えます。
百科事典の有用性
百科事典は、あらゆる分野において専門家の手によって的確にまとめられた「知識」がつまっており、確かな情報を得ることができます。不確かで玉石混交の情報にあふれたインターネットの世界で情報を選び取る際にも、まず初めに百科事典で正しい知識を得ることは重要です。
オンライン百科事典を利用するメリット
オンライン百科事典は、前述の百科事典の項目をデジタル化した、インターネットを介してアクセス可能な百科事典です。その中でも子ども向けのオンライン百科事典について、具体的に例を挙げながら、利用することで得られるメリットを紹介します。
信頼性が高い
オンライン百科事典は、紙の百科事典の項目を電子化しているので、多くの専門家の知識を集約し編集された紙の百科事典の信頼性がそのまま担保されていることが特徴です。質の高い情報にいつでもアクセスできることで、児童生徒の主体的な学びに役立ちます。
さまざまな分野の用語や関連語にふれられる
気になる言葉をピンポイントで検索・閲覧できるだけでなく、調べた言葉に紐づいた項目や資料などの情報にアクセスすることも容易です。低学年の児童やキーボードの操作が苦手な子どもでも、項目のリンクや画像をクリックすれば、関連するページに簡単に移動できるため、自分の興味関心にしたがって次々に知識を得ることができます。
豊富なコンテンツが用意されている
オンライン百科事典には、事柄を説明する項目本文だけでなく、デジタルならではの豊富なコンテンツが用意されているのも特徴です。音声や動画、紙面には掲載しきれない量の画像など、たくさんの資料が紹介されています。その他にも、オンライン百科事典サービス「Sagasokka!(さがそっか!)」のトップページには、「今日は何の日?」や「ポプラディアものしりクイズ」、コラムなど、子どもたちの「知りたい気持ち」を刺激するコンテンツがそろっています。また、調べたい用語や事柄が思い浮かばなくても、授業で活用できる学習テーマなどの切り口で検索できるので、調べ学習のスタート地点で活用することもできます。
オンライン百科事典を効果的に活用するためのポイント
学校現場で、効果的にオンライン百科事典を活用するための指導のポイントについて解説します。
オンライン百科事典ならではの様々な調べ方を学ぶ
オンライン百科事典では、デジタルサービスならではの色々な調べ方ができます。
子ども向けのオンライン百科事典を例に挙げると、以下のような機能が挙げられます。
- 調べたい用語や事柄などを検索窓から検索する
- 項目本文内に表示されたリンクから、関連項目に移動する
- 動画や画像、統計資料などを活用して、さらに学びを深める
- コラムやクイズなどがある場合には、そこから、興味を持った項目を調べる
- 歴史・動物など気になるテーマから項目を調べる
オンライン百科事典には、上記のようにデジタルならではの様々な調べ方がありますが、キーワード検索の際には、紙の百科事典と同様に「見出し語」で調べることが必要です。百科事典の作りを理解した上で、上記のような様々な機能を使うことで、オンライン百科事典を上手に活用することができます。
探究的な学びにつなげていく
百科事典の項目は、様々な分野を網羅して作成されています。オンライン百科事典を使ってそれらの項目を自由に見ながら、これまで気付いていなかった自分自身の興味関心の芽を見つけたり、その芽を育てたりすることは、探究学習の第一段階である「課題の設定」にもつながります。
そして、設定した課題の解決策を検討するために適切な資料を活用し情報を集め、その信頼性を評価する「情報の収集」の段階でも、オンライン百科事典は有用です。このように、オンライン百科事典の活用を入口として、探究学習を深めていくこともできます。
オンライン百科事典の特徴を知り、探究学習につなげてみよう
オンライン百科事典は、児童生徒が正しい知識を習得し、興味や関心を広げることを助けるだけでなく、課題や問いの発見から探究的な学びを深めていくためのツールとしても活用することができます。
オンライン事典サービス「Sagasokka!」は、以下の特徴を備えています。
- 多くの専門家の知識を集約し、子ども向けに編集された『総合百科事典ポプラディア第三版』・ポプラディアプラス『人物事典』の項目をデジタル化
- 「授業で使える項目セット」など、学校での学習内容に即した使い勝手を実現
- 子どもたちの「知りたい気持ち」を刺激するコンテンツ
- 子どもたちの好奇心に寄りそい、楽しく学びを促すインターフェース
- 項目に関連する「おすすめサイト」も紹介
教員向けにオンライン百科事典の導入を手助けするツールの提供や研修会も行っています。
活用事例:https://kodomottolab-mottosokka-case.poplar.co.jp/
活用ツール・研修会について:https://cs-mottosokka.poplar.co.jp/guide
■ 公共図書館向けには、「Sagasokka!公共図書館版」をご用意しています。